不動産鑑定カテゴリの記事

 2010年頃から各地で始まった「不動産市場動向DI調査」が全国的に広がりつつある。
とても良いことだと思われるのだが、各地士協会における調査が独自性を深めてゆくことも必要であろうが全国的な統一性も早い時期に検討しておくべきであろうと思われる。
 例えば、東北三県においては、3.11大震災がもたらした不動産市場への影響という視点は欠かせないことであろうが、調査が年を重ねる毎に全国集計値との対比も見逃せないこととなるであろうと思われる。 その意味からは、全国統一調査とエリア独自調査との融合も考えておいたら良かろうと思われるのである。

 調査集計項目や公表様式を全国共通様式として統一することは、他地域との比較検証を行ううえで欠かせないことと考えられる。 既に十に及ぶ士協会でDI調査が実施されているのであるが、早い時期に相互の連携をとることにより調査結果の広がりを得てほしいと願うものであると同時に、東京、大阪、名古屋などの都市圏域においても当該調査が実施されることを期待するのである。



 『鄙からの発信』読者の多くは、新スキーム問題に関わる話題には飽き々々されていると思います。 茫猿自身も厭きているし、書き続けることに疲れています。でももう少し語り続けていようと考えています。 本稿は現在提起されている一連の問題が何故生じたのか、何処で間違えたのかについて考えてみたいのです。



茫猿の現実認識

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 昨日の記事「事例管理と鑑定評価」を両三度読み返してみて、ふと気付いたのである。 この記事は現実認識に欠けた空理空論と受け取られかねないと気付いたのである。

 鑑定評価のコモデテイ化が止めどなく進み、業務内容がいわゆる簡易鑑定や価格調査報告に傾斜し、業務報酬の低廉化に歯止めが無くなってる状況、すなわちマイナスのスパイラル現象に抗しようもない状況を認識していない、過去の成功体験を追憶するだけの提言と受け取られているのではないかと危惧するのである。



 新スキーム改善問題について、新スキームという名称に速やかに決別すべきと総会並びに『鄙からの発信』で提案したのは2009.06.20のことであり、既に二年半も前のことです。「間違いだらけのREA-NET」と題する記事を掲載したのは2008年8月のことです。

 2011年度末が近くなり、新スキーム改善問題に相応の結論を出すべき時が迫ってきました。 ネガテイブリストの解消に留まって、中途半端な改善策に留まれば、次年度以降にさらなる改善を求められることになるでしょう。 今こそ抜本的施策を採用して将来展望を拓くべきであろうと考えます。

 痛みを伴わない改革などは有り得ないと自覚すべきであり、痛みを乗り越えた後に何を得ようとするのかが肝要なことでしょう。 安全性担保や透明性確保などは当面する改革目標ではあるが、戦術目標に過ぎないのである。 改革の先に不動産取引悉皆調査制度を確立し、調査から得られる資料の利活用安定性をデイファクトスタンダードとして高めること、並びにそれらに伴う鑑定評価の将来展望を戦略目標と位置付けるべきである。 以下、テーマ毎に述べてみます。



 (社)日本不動産鑑定協会:情報安全活用委員会は、2008年7月22日より地理空間情報活用検討小委員会(略称:NSDI-PT)を設けて、地理空間情報の活用について検討を重ねてまいりました。 その事業成果物として、2009年3月11日にはRea Mapβ版をRea Netに公開致しました。 Rea Mapはその後に数次の改訂を経て、現在幾つかの士協会にご利用頂いております。 NSDI-PTはさらにRea Mapの効用を高めるための2010年度事業として、取引事例に地理座標値を取得させるツールとしてのMap Clientの開発に着手し、2011年9月にMap Client_v.1.0及びMap ClientⅡを作成して、Rea Netに開示したところです。
(本稿は、NSDI-PTのこの三年間の歩み並びに地理情報活用の今後について述べるものであり、鑑定のひろばNo.177(2012.01号)に投稿したものの転載です。)



利回り調査報告

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 士協会事務局より標題の冊子が送付されてきた。 正しくは「東海四県下における利回り調査報告」(平成23年12月)《中部不動産鑑定士協会連合会:利回り調査特別委員会刊》である。全70数頁に及ぶ基礎資料とグラフ満載の労作である。
 この種の調査結果について揚げ足取りをするのは簡単である。いわく標本数が少ない、いわく調査内容の実証性にやや難点、いわく分析手法が未熟等々、言揚げするのは簡単であろうが、いずれもコロンブスの卵であり、誰も着手できなかったことを仕上げ得たことに最大の意味があると考える。 願わくば、この調査が平成24年以降も継続されて、基礎資料をさらに積み上げ、分析手法を精緻に練り上げてゆかれることを期待するものである。



JAREA 2011' #3

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 JAREA 2011' #1では、不動産鑑定評価に対する社会の信頼回復のために、内輪の論理ではなく、自らに辛く厳しい改革をと述べました。 JAREA 2011' #2では、情報開示を旨とする次世代のための改革をと述べました。

 JAREA 2011' #3では、情報の共有と開示に不可欠なツールであるネットワークについて述べてみたいと思います。



JAREA 2011' #2

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 今、不動産鑑定協会並びに不動産鑑定士が直面している大きな問題は「社会の信頼性低下」にあるのだろうと考えますが、その大きな原因は依頼者プレッシャー問題や新スキーム改善問題を先送りしてきたことにあるのだろうと考えられます。

 依頼者プレッシャー問題に関して云えば、依頼者から鑑定評価報酬を得ながら立つ位置を中立に堅持して鑑定評価書を発行するという不動産鑑定評価制度の根幹に、問題の根はあります。 依頼者が様々な示唆、教唆、依頼者の意向に有利なデータ提供などなど、多くの働きかけを鑑定主体に行うであろうことは容易に想像できることです。 しかしながら、この解決策は遅々として進まず、以前として鑑定士の倫理頼りに終始しています。

 新スキーム問題に関して云えば、新スキームの試行が開始されてから既に七年余が経過しましたが、当初から指摘されてきた資料管理の安全性確保、資料利活用の透明性確保という二つの課題は、今年も先送りされました。



JAREA 2011' #1

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 24歳の時に不動産鑑定業界に入ってから67歳の今年まで44年間在籍してきた茫猿は、毀誉褒貶と云いながら毀と貶のみ多き月日を過ごしてきました。 でもこの業界の隅に棲息することで自らの"たつき"(生計の費え)を得、妻子を養ってきました。 その棲息末期の年になるであろう2011年は、図らずも鑑定協会役員の末席に連なることとなり、ささやかながらも幾ばくかの役割は果たせたかなと思っています。 些かの感慨を記事にして、2011年を締めくくってみます。 勿論、不遜であろうことは承知の上のこと、どうか老爺の繰り言よと 御寛恕くだされたく。
 《JAREA 2011' #1:2011年 Japanese Association of Real Estate Appraisal ・その1》



 前号記事にて紹介したとおり、理事昼食会並びに理事会終了後の夕食会にて、理事有志による懇談・意見交換が行われました。 そこで話題となった幾つかの事柄について記事にしておきます。

 話題は、「事業実績報告のWeb公開について」、「依頼者プレッシャー問題について」、「鑑定報酬について異常とも云える低廉化について並びに見積もり競争入札の横行について」、「新スキーム改善の方向について」などです。



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